【逆U字仮説】スポーツ心理学の基礎中の基礎!まずはここから学ぼう!

スポーツに関連する悩みは大きく分けると2つに分類できます。一つはモチベーションの問題、もう一つはパフォーマンス発揮の問題です。

そのうち、パフォーマンス発揮の問題について学ぼうと思ったら、まずは、スポーツ心理学の中で最もポピュラーな「逆U字仮説(逆U字理論)」を学ぶと良いと思います。ということで、今回はこの逆U字仮説について簡単に解説していきたいと思います。

逆U字仮説

皆さんは試合中、体の調子がとても良く、やる気もマンマンで、なんでもできるような感覚になったことはありませんか?そういった状態は「ゾーン」「フロー」などと呼ばれており、スポーツ選手が試合中に目指すべき理想の心理状態といわれています。

しかし、いつもその状態になれるとは限りません。緊張しすぎて体がガチガチになったり、緊張感がなさ過ぎて注意が散漫になったり、緊張のコントロールが適切に行われないと理想の心理状態になることはできません。とはいうものの、調子が良かったとき、悪かったとき自分の体や心の状態をよく把握できていない人も多いものです。

そんな時、役立つのがこの「逆U字仮説」の図、逆U字仮説とは選手が感じる心や体の緊張・興奮の度合いと、実際のパフォーマンスの関係を表した仮説です。縦軸はパフォーマンスの良し悪しを表しており、上に行くほどパフォーマンスがよくなります。そして横軸は体や心の緊張の度合いを表しており、右に行くほど緊張しているということになります。試合後、この図を見ながら自分の緊張の度合いやパフォーマンスを振り返ってみると、自分がどんな時にどんな状態になるのかが把握しやすくなります。

ゾーン、フロー状態

上図の真ん中、理想的な心理状態。緊張感は高すぎず低すぎずちょうど良い時です。この状態の選手が体験する心理状態や現象として、「すべてをコントロールできる万能感」「自己意識の喪失」「時間間隔の変化」「体の動きの自動化」「高い自信」などが報告されています。

あがり

よく、「あの選手あがってるな~」などということがありますが、まさにそれが上図の右側の状態です。緊張が高すぎるいわゆる「過緊張」状態。あせり、不安を感じる、体が硬くなり思うように動かない、心臓のドキドキが強い、すぐ疲れを感じやすくなるなどが兆候として見られます。

さがり

上図ではあがりの逆の左側の状態です。緊張感が全くなく、試合直前なのに気乗りがしない、試合に対する注意が散漫、やる気・闘争心がない、体がだるい・重い、などが兆候として見られます。

現場への応用の仕方

これを現場に応用しようとするなら、まずはこの図の中で選手が目指すべき場所、いわゆるパフォーマンスが存分に発揮されている状態がどこか?知っておきましょう。

当然、それはゾーン・フロー状態と呼ばれる。上の図で言うところの真ん中の部分となります。そしてパフォーマンスが低下している状態が両サイドの「あがり」「さがり」状態になるわけですね。

自分がどんな時にどんな状態になりやすいのかを自己分析したうえで、「あがり」の時は緊張感を下げる方法、「さがり」の時は緊張感を上げる方法を使って自分をコントロールし、理想の心理状態に近づけることが、自己コントロールスキルの基本的な考え方になります。

まずは自分が「ゾーン・フロー」に入っている時の状態を詳しく分析してみましょう。詳しい方法はこちらの記事で紹介しています。

試合中にゾーンに入る確率を上げる方法!

さらにパフォーマンスが低下する時「あがり」「さがり」のどちらの状態になることが多いのか?も分析してみましょう。どちらの傾向が多いのかわかるだけでも対処の方向性が見えてきます。

<参考文献>

  • スポーツメンタルトレーニング教本 大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編
  • 公認スポーツ指導者養成テキスト 共通科目Ⅲ 日本体育協会、2015年、日本体育協会 編
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