【コンプレックス】とは一体何なのか?漫画ハンターハンターから学ぶ‼

皆さんこんにちは、突然ですが皆さんはコンプレックスという言葉は聞いたことがありますか?

日本語に訳すと「劣等感」だと認識する人がとても多いこの言葉ですが本当は全然違う意味なんです。本来の日本語訳も「心的複合体」というなんだかよくわからない感じの言葉なんです。

今回はこのコンプレックスについて少し詳しく解説していきたいと思います。

ちなみに、劣等感についてはこちらの記事で詳しく書いておりますので興味があれば見てみてください。

劣等感とはいったい何なのか?対処できるのか?

コンプレックスとは?

それでは早速コンプレックスとは何なのか説明しましょう。

定義としては「ある一つの感情によって色付けられた心的複合体」という風に説明されています。

もう少し簡単にいうと、人は生きていく中で様々な経験・体験をしているものですが、そういった体験の中には時にとても強い感情を抱かせるようなことがあります。そういった体験の中で感じた感情が接着剤のようなものとなり、その当時の記憶と体験を象徴するような事柄などをくっつけてしまって一つの塊となり、心の中(普段は意識できない領域)に存在している。というようなものです。

普段は無意識の領域にありますので、あまり自分の思考や行動に影響を及ぼすことはありませんが、何かのきっかけで刺激され、自分の思考や言動に対して影響を与えることがあります。

そのようなときは、「頭では良くないと思っているんだけど、止められなかった」など、思考や行動がコントロールできないといったことを体験することがあります。

と言葉だけで説明しても何だかわからないという方もいらっしゃると思いますので、今回も漫画を使って詳しく解説してみようと思います。

漫画「ハンター×ハンター」で解説

週刊少年ジャンプに連載中の大人気漫画「ハンター×ハンター」をご存知でしょうか?実は劇中にわかりやすいコンプレックスの描写が出てきているんです。描写が出てくるのは物語の序盤、主人公たちが「ハンター試験」という試験の3次試験を受けている時のことです。

主人公たちは5人一組になり様々なトラップが張り巡らされているトリックタワーという塔を降りなければいけませんでした、その途中で5対5の勝ち抜き戦をしなければならなくなり、主人公チームからは「クラピカ」というキャラクターが出ていった時の話です。

クラピカの対戦相手は詐欺の常習犯で、ハッタリをかましてクラピカを怯えさせ、棄権負けをさせようとしていました。手に仕込んだ鉄鋼で床を砕き、背中の蜘蛛の刺青を見せてビビらせるというのがその方法でした。

ハンターハンター 第18話 引用

床を素手で砕くというのはビビらせる方法としてわかりますが、背中の蜘蛛の刺青は一体どんな意味があるかというと、ハンターハンターの世界では悪名高い極悪非道の「幻影旅団」という盗賊団が存在し、その団員の証が蜘蛛の刺青だったのです。

クラピカの対戦相手はただの詐欺師なのでもちろん幻影旅団のメンバーではないのですが、床を砕いた後にそのニセの刺青を見せてビビらせようとしたんですね。

しかし、ここで対戦相手の思いもよらないことが起きます・・・

ハンターハンター 第18話 引用

背中の蜘蛛の刺青を見た途端、クラピカが逆上し、一撃で相手をKOしてしまうのでした。殴られる直前対戦相手は「まいった」を宣言しようとしていたのですが、全く聞く耳を持たず、一気に殴ってしまいます。殴った後は結構物騒なことも言っていますね・・・

このクラピカというキャラクターは知的で冷静、どんな時でも合理的に判断し行動するというように描かれていたキャラクターだったので、その印象とはかけ離れた暴力的な描写でした。そして仲間のもとに戻ってきたクラピカは、仲間にこんな話をするのです・・・

ハンターハンター 第18話 引用

「理性ではニセモノだと分かっていたんだが、しかしあのクモをみたとたん目の前が真っ赤になって・・・」「普通のクモを見かけただけでも、逆上して性格がかわってしまうんだ」
と、彼のセリフから、理性や性格とは全く違うなにか強い感情によって動かされるということがあるようなことが起きていたことが分かります。

実はクラピカの故郷は数年前に「幻影旅団」によって襲撃され、自分以外の一族が皆殺しにあっていたのでした・・・。その時彼は一人集落を離れていたため生き残ったのですが、帰ってきたときに自分の仲間が殺されているのを発見したのです・・・。

この時に感じた強い「怒り」の感情が「私の中でまだ失われていないという意味では、むしろ喜ぶべきかな・・」などとも語っていますね。

このことこそが、クラピカのもつ「コンプレックス」と言えます。

仲間が虐殺されるというとても衝撃的な出来事、その原因である「幻影旅団」そしてその団員の証である「蜘蛛」の刺青という事象が、「怒り」という強い感情によって「塊」となり、事件直後からクラピカの心の中(無意識の層)に存在することになったのです。

クラピカのコンプレックスイメージ図(強い怒りがただのクモを幻影旅団と結びつけてしまっている)

それゆえ、ただの「蜘蛛」を見ただけでも「怒り」の感情によって「幻影旅団」を連想し、「仲間の虐殺」を思い出してしまうのですね。このような強い「怒り」の感情は理性を超えて身体を動かしてしまうことがあります。クラピカ自身も理性ではわかっていたが目の前が真っ赤になったと語っていますね。

このように感情によってくっつけられた複合体がコンプレックスであり、それらは人を予期せぬ行動に駆り立てることがあるのです。そのことが非常にわかりやすく表現された内容でしたね。

コンプレックスと上手に付き合おう

いかがでしたでしょうか?漫画の力を借りると具体例として非常にわかりやすくコンプレックスを理解できるのではないでしょうか?

このようなコンプレックスは幼いころの体験などが原因となり無意識の中に潜むことが結構あります。そして、大人になってから自分の意識的な行動に影響を及ぼすことが往々にしてあります。しかしながら、それらに良いも悪いもありません。

大事なことはそのような自分と向き合って、その後どうするかということ。自分の受け取り方次第ではコンプレックスは自分の力になることもあるのです。

あまり重く考えすぎず、しかし、それでも自分の日常生活を脅かすほどになってしまいそうならまずは気軽に専門の方に相談するなどしても良いでしょう。

別記事でも紹介した「劣等感」が原因となって形作られる「劣等コンプレックス」に対しては詳しく対処の仕方、付き合い方をこちらの記事で紹介しているので、気になる方はこちらもご覧ください。

劣等感ではなく「劣等コンプレックス」の対処法!!

<参考文献>

  • ハンターハンター 第18話、集英社、冨樫義博 作
  • コンプレックス、岩波書店、1971年、河合隼雄 著
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