【マインドフルネス】不安が消えない時の解決法。プロが教える心を保つ方法とは。

こんにちは、河津です。

今世界中が不安でストレスフルな状況に陥っています。もちろん日本も例外ではありません。生活や仕事のスタイルも変えることを余儀なくされており、しかもそれが自由意思によってのものではなく、半強制的であるということが厄介です。

さらに、新しい生活スタイルは身体的な面から見ると以前よりは非活動的にならざるをえない人がほとんどだと思います。このこともストレスの要因になりえます。

ということで今回は、スポーツ心理学やストレス研究の見地から、これからの生活をできるだけ健康的にやり抜くための方法をいくつか簡単に紹介しようと思います。

以前紹介したこちらの記事も参考になると思います。合わせてご覧ください。

不安や心の疲れを落ち着けよう!家庭内でできる簡単な方法

できるだけ理論的根拠があるものや、研究の結果から証明されていることを紹介しますので、現時点でまだ気持ちに余裕のある方はぜひともお試しください。なお、紹介する方法は、その人の置かれている状況や性格特性などにより向き不向きがあること、しばらくは継続して続けないと効果は出にくいということはあらかじめ断っておきます。

それでは紹介していきます。

自分でコントロールできること、できないことを区別する

現在の自分の置かれている状況において、コントロールできることとできないことを分けましょう。できれば紙などに書き出すことをお勧めします。

紙に書き出すことによって、自分の中にあるもやもやした問題を、自分の外側に出して見えやすくすることができます。これを外在化といいます。外在化によって、問題について感情に左右されない客観的な見方がしやすくなります。

これは、ストレス対処やカウンセリングにも取り入れられている考え方です。人間というのは自分で思っているよりも自分でコントロールできないものに気を取られてしまいます。それによって不安や恐怖を大きくし、そんな感情状態で思考して、また悪い予測などをしてしまう。これは悪循環です。

 

自分がコントロールできることはあくまで自分の思考や行動のみ、自分以外の人や集団の思考や行動をコントロールすることはできません。それらを区別し、紙の上で整理することができれば頭の中も整理され、建設的な思考になることができます。

いつまでこの生活が続くか見える化をする(目標設定)

この生活がいつまで続き、その間自分はどのように行動するかを明確にしましょう。つまりは、スポーツ心理学でいうところの目標設定を行うということです。

目標設定に関する詳しい内容はこちらをご覧ください。

選手のやる気を引き出すための効果的な目標設定の仕方!!

 

フルマラソンを走っている時、1キロ地点ではるか先のゴールの事ばかり考えたら心がおれますよね、これはゴールが遠すぎて、あとどれだけ走れば終わるのかがわからないから。今回のコロナウィルスによる外出自粛もいつまで続くかわからないというのがとてもストレスになります。

いつまでやればいいかわからないことを続けることほど人間にとってつらいことはありません。まずは、自分の中にこの生活の期限を明確に持ちましょう。幸いにも先日、東京都医師会会長から、期限の目安になるような情報(お願い)が発信されました。

 

東京都医師会からのお願いです。皆さん想像してみて下さい。

『新型コロナウイルス感染症に、もしも今この瞬間から、東京で誰一人も新しく感染しなかったら、2週間後には、ほとんど新しい患者さんは増えなくなり、その2週間後には、ほとんどの患者さんが治っていて、その2週間後には、街にウイルスを持った患者さんがいなくなります。』

だから今から6週間、皆さんが誰からもうつされないように頑張れば、東京は大きく変わります。

東京都医師会HPより引用

 

これによって頑張る期限が明確になりました。「6週間」です。まずは皆さん6週間という期限を明確に自分の中に持ちましょう。

6週間をとても遠く感じる場合は、2週間ごとに区切るなど、期限を刻んでいってもいいでしょう。先ほどのマラソンの例を挙げるなら、「とりあえずあそこの電柱まで走ってみよう」と頭の中で目標を小刻みに置くと少し頑張れますよね。そんな感じで期限を刻むと頑張れる確率は上がります。カレンダーや手帳などに書き込んでもいいでしょう。

そして、その間自分がどのように行動するかを明確にしましょう。特に、自宅にいるからといってだらけると体によくありません、起きる時間や寝る時間、食事の時間、仕事の時間をある程度は決めておきましょう。

また、この後紹介するような、行動などを取り入れるとより心を健康に保つことができるかもしれませんので積極的に行う事として目標の中に取り入れてみてください。

自分の感情をモニタリングする

毎朝、自分の感情がどうなっているかモニタリングしてみましょう。実はこれ自分の感情をコントロールするためには非常に有効な手段です。

 

とはいえ、どうやって感情を測ればよいのか、専門的にはPOMSという感情測定のための尺度などもあるのですが、簡単に入手できるものではありませんので、今回はとても簡単でツール要らずの方法をご紹介します。

感情の2つの側面を100点満点で自己評価する

もう少し詳しく言うと・・・

  • 冷静か興奮かを0~100で評価(とても冷静なら0点、すごく興奮しているなら100点)
  • 不快か快かを0~100で評価(とても気分が悪ければ0点、とても気分が良ければ100点)

という感じです。感情というのは覚醒度(落ち着いてるか興奮してるか)と感情価(快か不快か)の2つの要素がどの程度あるかで色付けされているという2次元モデルという考え方があります。

例えば、とても興奮していて(上記の冷静か興奮かで言うと100点)、とても不快(上記の気分がいいか悪いかで言えば0点)であればおそらくその人は「激怒」しています。

このように、自分の感情をこの2つの側面から見て得点をつけてみましょう。その感情の名前がどんなものなのか?ということまでは深く考えすぎなくて大丈夫です。

このようなモニタリングの時間を作ることで、「あ、今自分思ってたよりも不快なんだな~」と気づくことができます。この時間がとても大事です。気づけばコントロールすることができます。これも上記、外在化に似たような効果といえます。

僕がサポートするスポーツ選手の中にもこういったモニタリングを継続していくことで、「自分のその時の感情が意外にわかってなかったことに気づいた」などの感想をよく聴きます、たいていそういった選手はその後、感情のコントロールがうまくなっていきます。

SNSやネットを見る時間をできるだけ短くする

SNSやネットから情報を得る場合は、一日のうち閲覧する時間をできれば30分ほどに抑え、見るものも信頼できるものだけに限りましょう。

家にいることが長くなるとついついSNSやネットの情報を見てしまいます。長時間のSNS閲覧が抑うつなどの状態と関連があるという研究報告や、与えられる情報が多くなる情報過多状態が脳に対して悪影響を及ぼすという報告もあります。

加えて、ウィルス感染拡大で混乱している現況では、デマなどの情報も流れており、不適応行動を起こしてしまうリスクもあります。このような状況において、1日のうち多くの時間をSNSの閲覧に費やすのは健康的ではないといえます。

 

散歩などの軽い運動を行う

一人や少人数での散歩などは行うことができます。運動する時間は積極的に取り入れると良いでしょう。

緊急事態宣言が出された地域でも、外出や運動が全くできないというわけではありません。一人での散歩など、三密をさけられるような運動はむしろ行った方が良いと思います。

ストレス研究の分野において、ストレス対処の方法は大きく分けると問題焦点型(ストレスの原因を直接取り除く)と情動焦点型(ストレスの原因によって起きてしまった良くない情動・感情を改善する)というものに分けられます。

問題焦点型の対処が難しい場合、情動焦点型の対処法を実施する必要があるのですが、運動は情動焦点型の方法の中でも一番オススメの方法です。

さらに、一人で散歩をするなら歩いている時に自分の足の裏にひたすらに意識を向けながら歩くことが、マインドフルネスの方法の一つになりますのでとてもお勧めです。

感謝の日記をつける

週に一度、その週感謝したことを5つ挙げて、書き出しましょう。

感謝の感情を抱くことは心身にとてもポジティブな影響を与えます。実際、週一で感謝したことを5つ書き出させた被験者たちはそうでない人たちと比べてポジティブな感情経験の増加、運動や睡眠時間の延長、身体的な不調の改善などがみられたと報告する研究もあります。

また、一つの事例でしかありませんが、とある女性のがん患者が、カウンセリングにおいてひたすらに自分のポジティブな面に目を向けたり、人と接した時には必ず褒める、毎日必ず誰かに感謝の念を抱くといったことを目標として3か月取り組んだところ、徐々に彼女自身ポジティブになっていき1年後にはがんが縮小、3年後には消失したと本人からの報告があった。という事例などもみられます。※あくまで一事例であり、なおかつカウンセリングの事例であるので広く一般化できるものではありません。

このように、感謝という感情は心身に良い影響を与えることが分かっています。イギリス全土で医療従事者に対してみんなで拍手を送るといった行動が一時期話題になりましたが、こんな時こそああいった行動が求められるのではないでしょうか?

自分自身そして頑張っているすべての人がもうひと頑張りできるよう、感謝の念をもっと表出していけるといいのかもしれませんね。

 

最後に

今回紹介したものは、無理に行うことではありませんし、性格などによっては向き不向きがあるということは初めにも断っておきました。ただ、まだ気持ち的に余裕があって、なにかしら心を保つ方法を実践したいな、と思っていた方には参考になるのではないかと思います。

まずは、一つでも無理のない形で行ってみてはいかがでしょうか?

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