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試合や練習でイメージを用いてみる!

こんにちは。今回はイメージトレーニングのお話ししていきます。まずはイメージの基礎知識をお話した後、実際のトレーニング法の紹介をしたいと思います。

イメージの効果

はじめに、イメージを用いることの効果について、イメージと脳の関係から解説いたします。

運動をイメージすると脳も活動する?

これまでの研究から、何かしらの運動をイメージした場合、脳の運動野や体制感覚野が活動することが明らかになっています。それも、指の運動をイメージした場合は指と関連する領域が、足の運動をイメージした場合は足と関連する領域が活動することが分かっています。それに伴って、そのイメージに関連する部位の筋肉にも放電が生じることもわかっています。すなわち、一見ただ座っているように見える人でも、運動のイメージを描いている人は実際に運動している時と同じ様に脳と筋肉が反応しているのです。

実際の運動と比べると?

実際運動したときと比べてどの程度脳が活動しているのでしょうか。ある研究では、イメージしたときは実際に運動したときと比べておよそ3割程度の脳の活動量であったとされています。しかしながら、イメージの能力をトレーニングすることでこの割合が増加する可能性もあるといわれています。

 

このように、イメージを用いることの効果は、生理学的な観点からも明らかになってきています。イメージするだけで体が反応するということは、イメージを使えば実際に体を動かして練習ができない時でも練習効果が得られるようになるということです。イメージ能力を鍛えることが楽しくなってきますね。

イメージを用いる場面とその目的

スポーツ選手がイメージを用いる場面は大きく分けて2つあります。一つは練習場面、もう一つは試合場面です。

練習場面でイメージが用いられるとき、その目的は主に何らかの技の習得です。例えば、サッカーのインサイドキック(主にパスなどに使われる蹴り方、足の内側にボールを当てる)を練習する時に、実際に蹴る前に、理想的な脚の振り方や、軸足を置く位置などをイメージしてから蹴ったりします。そうして理想的なイメージと実際のキックとのズレを修正しながら磨いていきます。

試合場面でイメージが用いられるとき、その目的は主に自信の向上や不安の減少など、緊張状態のコントロールです。試合直前に緊張するまいと、うまくもしくはいつも通りプレーしている自分をイメージして落ち着かせたりすることがこれにあたります。

イメージの種類

イメージはその描き方によって大きく二つの種類に区別することができます。一つはまるでテレビで自分がプレーしているところを見るように、運動をしている自分を客観視する「外的イメージ」、もう一つは相手の動きやボールの動きを自分の目で見るように、また自分の筋肉の感覚を感じるように、運動している自分を主観的に想起する「内的イメージ」です。効果的にイメージトレーニングを行いたい場合はこの二つをうまく組み合わせて使うことが重要になってきます。

例えば、ダンスなどで新しいステップを練習しようとする際に、先ずはうまい人のお手本を見て外的イメージを作ります。そして、指導者の指摘などで動きを矯正しながら練習し、自分自身がうまくいったと思うときの感覚を内的イメージにします。あとはその内的イメージと外的イメージをすり合わせながら完成するまで試行錯誤していきます。

イメージトレーニング法

それでは、イメージトレーニングの具体的な方法をご紹介します。イメージするものに関わらず、以下のような手順で進めていきましょう。

①静かな場所に行く。

②目を閉じて椅子に座る、または仰向けに寝る。リラックス法などを行ってもよい。

③1~2分イメージを描く ⇒ 1~2分休み ⇒ 1~2分イメージを描く ⇒ 繰り返し
※慣れないうちはイメージを描く回数は1~2回と少ない回数でやりましょう。

④自己評価、感想などを書く。慣れてきたら、イメージの時間を3~5分まで延ばす。
※1セッション(②~④)は長くても30分以内で終わらせるようにしましょう。

 

イメージすることに慣れてくれば試合場などの多少うるさいところでもできるようになりますが、はじめのうちは上記のようにリラックスしやすい静かな場所で行いましょう。

次に何をイメージするかです。まずはイメージするのが簡単なものからはじめて、トレーニングが進んで来たら徐々に複雑にしていきます。

基礎練習として・・・

好きな色、好きな風景、競技場やスポーツの道具、プレーしている (内的)、プレーを見ている (外的)

応用練習として・・・

技術練習、チームの作戦・フォーメーション、ベストプレイのイメージ、試合中の特定の場面

トレーニングのポイント

描くイメージの質をより高いものにするにはイメージの「鮮明さ」と「コントロール能力」を高める必要があります。
「鮮明さ」とは、文字通り描くイメージがどのぐらい鮮やかではっきりとしているかです。それは視覚的なものに限ったことではありません。例えば基礎練習として普段自分が練習に使っているボールなどのイメージを描くときは、形や色だけでなく、重さや手触り、匂いまでもリアルに感じられるほどに「鮮明な」イメージが描けるようになりましょう。
「コントロール能力」とは、描いたイメージを自分の思い通りにコントロールできる力のことです。例えば、成功のイメージを描きたいのに失敗するところばかりが出てきてしまうなんてことを経験した方は少なくないと思います。このように、イメージとは放っておくと勝手に動いてしまうという、いわゆる「自律性」を持つといわれています。このイメージの自律性をまずは理解しておくことは非常に重要です。そのためにまず、「草原」とか「海辺」などの抽象的な風景などのイメージ課題を与えて、そこからイメージが自律的に動くさまを体験してもらうという自発イメージ体験を行う方法もあります。イメージの自律性を理解したうえで、勝手に動いてしまうイメージを自分の思い通りにコントロールできるように鍛えていきましょう。
以上の2つのポイントを押さえてトレーニングを進めていくと効果的です。

いかがでしたでしょうか?イメージのトレーニングはレベルが高くなりますが習得することができれば競技場面だけでなく日常場面においても非常に役立つと思います。頑張って練習してみてください。

<参考文献>

  • スポーツメンタルトレーニング教本 大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編
  • 勝ちにいく スポーツ心理学 山海堂、2000年、高畑好秀 著
  • イメージ体験の心理学 講談社、1992年、田嶌誠一 著
  • 教養としてのスポーツ心理学 大修館書店、2005年、徳永幹雄 編
  • 最新スポーツ心理学―その軌跡と展望― 大修館書店、2004年、日本スポーツ心理学会 編
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