【活動報告】非認知能力(生きる力)の測定方法を研究中‼ 

こんにちは。河津です。

最近更新ができておりませんでしたが、水面下ではいろいろ活動しておりました。
その中でもこちらの活動に関係することとして現在「株式会社リーフラス」さんと九州産業大学の産学連携の
「非認知能力」に関する研究の「学」サイドとして参加させていただいております⇩。
※「非認知能力」は子供の将来の成功に影響を及ぼすものとして教育の分野で注目されている能力です。

当サイトでも相互リンクさせていただいている九州産業大学の磯貝教授が代表を務める「一般社団法人 行動評価システム研究所」BASラボ経由でお話をいただき参加させてもらっています。

今年度中に何らかの成果を出す予定です。今から楽しみですね~

解説「非認知能力」とは?

現在その測定方法をリーフラスさんの協力のもと研究中なのですが、研究するにあたって一体「非認知能力」とは何なのか?ということを明確にしないと測定することができません。

そこで今回は「非認知能力」について少し解説してみたいと思います。

非認知能力は読んで字のごとく「認知能力に非ず」つまり、おなじみの「IQテスト」や学校で行われる「学力テスト」などで測れるいわゆる「頭の良さ」とは違った能力であるとされています。英語では「Non-cognitive(非認知)」と表記されます。

これだけだと「頭の良さ」とは違う何かしらの能力としかわかりませんので、本質的ではありません。

もう少し掘り下げてみましょう。先ほど英語で「Non-cognitive」と表しましたがカッコ書きで「Socio-emotional(社会情緒的)」と表記する論文もあります。

ここから読み取ってみると「対人関係に必要な能力」と「感情をコントロールする能力」などがその中核をなすのではないかと考えられます。確かにどちらもIQテストなどでは測ることのできない能力ですよね。

一般的な解釈ではもっとざっくり言って「生きる力」なんて表現もされていますね。この解釈だとスポーツ心理学の分野でも「ライフスキル」という概念がありますが、その内容とかなり近いものなのかな?と考えられます。僕は初めて非認知能力関連の論文を見たとき「これってライフスキルのことじゃん!」と思いました。

ちなみにライフスキルはWHOによると以下の10のスキルに分けられています。

※薄い赤で塗りつぶされているのが個人的なスキル、青で塗りつぶされているのが対人的なスキルです。

これらの解釈は「認知能力ではないもの」という定義からだとすべて当てはまるものです。

つまり、何が言いたいかというと「非認知能力」って細かく内容を見るととても多くの種類があるし、一概にこれだ!と定義するのは難しいんですね。

どんな「非認知能力」が重要なの?

そうなってくる知りたくなるのが、いっぱいある「非認知能力」の中で特にどれが子供の将来に影響する重要なものなの?ということですよね?

そう、まさにその絞り込みこそが、僕が今参加している研究のポイントにもなってくるわけです。子供の成長に特に重要な「非認知能力」を絞り込み、それを測定する方法を研究しているわけですね。

この時、測定可能で、教育によって成長が見込めて、その成長がポジティブなアウトカム(子供の将来的な成功)につながることが考えられるものということを条件に考えて絞り込んでいくとより効果的だと思います。

そういった考察の中でとある論文では幼児期の後半から介入できる非認知能力として「自己効力感」と「内発的動機づけ」に注目しています。

この2つは当サイトでも解説したことのある⇩、とても重要な概念です。

【セルフエフィカシー】火ノ丸相撲を心理学的に分析~スポーツ選手の自信のつけ方~

 

【自己決定理論】を理解して、うまいのに練習に来ない選手をやる気にさせよう!!

やはり突き詰めると結局はつながってくるんですよね~
とはいえこの二つはどちらも自分自身にだけ関係してくる個人的なスキルになりますので、幼児期から学童期になって他者との関係性ができてくると他者との関係性に関する対人的なスキルも重要になってくるでしょう。

僕たちはその辺も視野に入れて非認知能力の絞り込みを行っています。

小さい子を育てている保護者やスポーツの指導者の皆さんはまず、「自己効力感」と「内発的動機づけ」に注目してみてください!

<参考文献>

  • 西田季里、久保田愛子、利根川明子、遠藤利彦(2019)非認知能力に関する研究の動向と課題ー幼児の非認知能力の育ちを支えるプログラム開発研究のための整理.東京大学大学院教育学研究科紀要 (58), 31-39.
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