こんにちは。河津です。
こちらの記事では自分の理想的な心理状態を探る方法を紹介しました。
これからはその状態をめざして体や心を整えていけばよいのですが、そうはいってもなかなか思い通りにいかないものですよね。特に、大事な試合や、試合中の勝敗を決定づけるプレーの前などは、緊張が大きくなりすぎて思ったようにコントロールできないなんてこともよくあることです。
いわゆる「あがり」という状態ですね。この「あがり」の状態になってしまう要因はいくつかありますが、大きく分けると、不安などの頭で考えてしまうようなもの、心拍数や呼吸数の増加など、体の反応としてあらわれるものの2つに分けることができます。今回は、この2つのうち、体の緊張を和らげるための方法を紹介したいと思います。
腹式呼吸法
腹式呼吸とはおなかを使った呼吸法で、人間がリラックスしている時(たとえば寝ているときなど)に自然に行っている呼吸です。よく言われる深呼吸とは少し意味が違います。以下に詳しいやり方を載せておきます。
※以上を2回ほど繰り返しましょう
練習のポイント
- はじめは寝て練習するとおなかの動きがわかりやすいです。
- 実施後は自分の心や頭の中が静まっているか感じてみましょう。
- 慣れてきたら座ってやったり、立ってやったりしてみましょう。
- 最終目標は試合中のちょっとの時間でできるようになることです。時間を短くするなど、自分で工夫して試合で使えるようにしましょう。
なぜ体の緊張を和らげると良いのか?
心身相関という言葉があります。簡単に言うと心と体はお互いに影響をしあっているということです。「ストレスで胃に穴があく」なんてことを聞いたことがあると思いますがまさに心身相関の一例です。この一例は「心⇒体」の悪い影響を表しているものですが、逆に「体⇒心」の良い影響もあるのです。体がリラックスできれば心もそれに影響を受けてリラックスするのです。
ここでもう一歩話を先に進めましょう。果たして試合中にコントロールしやすいのは心か体かどちらでしょうか?断言はできませんがほとんどの場合は体のコントロールの方が容易です。対戦相手が強そうに見えるのでできるだけ相手のことを考えないようにしようとしても、そうしようとすればするほど相手のことが余計に気になったりすることは良くあるでしょう?
それよりは、ドキドキしている心拍数や早くなっている呼吸を鎮める方が簡単な気がしませんか?まずは体をリラックスさせることから始めた方がそのあと心を落ち着けやすくなります。
いかがでしたでしょうか?向き不向きは当然あるかもしれませんが、とりあえず一度試してみてください。
<参考文献>
- スポーツメンタルトレーニング教本、大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編