こんにちは。今回は、試合前のルーティーンの作り方、当日にルーティーンが邪魔されないようにやっておきたいことをご紹介したいと思います。
こちらの記事ではルーティーンの内容について詳細に書いてますので合わせてご覧ください。
ルーティーンの作り方:セルフモニタリングをしよう!
セルフモニタリングとはいうなれば「自分自身を観察する」ことです。プロの方たちは何も考えずに試合前のルーティーンを決めているわけではありません。長い競技生活の中で、調子の良かったとき、悪かったときの自分自身を観察し、試合前にするべきことを見極めて、少しずつルーティーンを固めていったのです。
このセルフモニタリングの過程がないと、何が自分にとって良いのか、何が悪いのかがわかりません。皆さんも自分なりのルーティーンを固めるために是非ともやってみてください。
最もポピュラーですぐに始められることとしては、練習日誌をつけること。これが一番いいと思います。何を書いたらよいかわからないという方のためにポイントをいくつかあげておきます。
- 練習時の心(気分や感情、何を考えたかなど)について
- 練習時の技(自分の技術の調子)について
- 練習時の体(怪我がないか、痛いところがないか、体調はどうか)について
- その日(練習時、それ以外問わず)あった印象的な出来事、特に練習時の気分や感情に影響を及ぼした こと
- その日の目標の達成度(練習目標を立てていた場合)
このあたりを押さえておくとよいと思います。練習日誌でセルフモニタリングを続けていくことで試合前のルーティーンが徐々に見えてくるようになりますよ。
ルーティーンの作り方:メンタルスキルを組み込もう!
行動を決めることで余計なことが気にならなくなるのがルーティーンの効果なのですが、行動だけを決めたのでは効果は半減です。なぜなら、何も考えないでもその行動ができるようになってしまうと、余計なことを考え出してしまうこともあるからです。そこで私は、メンタルスキルをルーティーンに入れ込むことをお勧めします。
実はラグビーの五郎丸選手のキック前のルーティーンにもメンタルスキルが入れ込んであるのです。彼は「ボールをセットして、助走の距離を取り、そして蹴る」までを8歩で行うと決めているのですが、その時に彼は頭の中で「ドレミファソラシド!」と一歩ごとに唱えているのだそうです。
さらに、その途中であの独特のポーズが入るのですが、そのとき彼はボールの軌道をイメージで描いているのだそうです。頭の中で「ドレミファソラシド」と自分に言い聞かせることはリズムを取るだけで、言葉の意味こそありませんが、セルフトークといえるでしょう。さらにイメージまで使っているといえます。
このように、メンタルスキルを入れ込むことでプレーに関連することに注意を向けやすくなります。もちろん試合前のルーティーンにも応用できますので是非お試しください。もちろん何が合うかは人それぞれになりますので、試行錯誤は必要になりますよ。
当日にルーティーンが邪魔されないようにやっておくこと:行動予定表の作成
ある程度、ルーティーンが固まったとしても、慣れるまでは忘れてしまったり、不測の事態でできなかったりすることもあります。せっかく決めたのにそれができないと心残りになって集中できないなんてことになったら本末転倒ですよね。
なので、最後に試合当日の自分の行動予定表を作成しておくことをお勧めしておきます。会場には試合開始何時間前に入るのか?試合前のウォーミングアップは何分前から始めるのか?試合と試合の間にはどのように過ごすのか?などを書いておきましょう。
さらに、その時点で予測できるトラブル(交通機関の遅れ、試合スケジュールの変更等)は先に考えておきその時にどう対処するかも決めておくとさらに良いと思います。
いかがでしたでしょうか?これで試合前にあたふたすることがなくなりそうですね。皆さんも自分なりのルーティーンを構築して、試合での実力発揮にお役立てください。何度も言うようですが、どんな行動が合うのかは皆さん次第、試行錯誤が必要なことを忘れずに。
<参考文献>
- 教養としてのスポーツ心理学 大修館書店、2005年、徳永幹雄 編
- スポーツメンタルトレーニング教本 大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編