こんにちは。以前、こちらの2つの記事でメンタルトレーニングとは何をどのように鍛えていくものなのかをお話しました。
今回はどのような順序でトレーニングが進んでいくのか、ひとつのモデルとして提案されているトレーニングの進め方を紹介したいと思います。
トレーニングサイクルの紹介
下記の図をご覧ください。こちらの図からわかるように、トレーニングはひとつの区切りが終わったらそこから反省をし、次のステップに継続していくというような循環の形をとります。こういったサイクルはビジネスの分野においても「PDCAサイクル」と呼ばれ、浸透しています。このサイクルを回していき継続的にメンタルを改善していくことが重要です。概要は以下に示します。
- 心理的競技能力の診断・・・自分の心理面の長所短所を分析し自分に必要な心理的競技能力を 明確にします。
- 「やる気」を高める・・・分析の結果を踏まえて、試合やトレーニングなどの目標設定をし、トレーニングに対するやる気を高めます。
- 「よい緊張感」をつくる・・・体や心の緊張をコントロールするために、リラクセーションやサイキングアップのトレーニングをします。
- 集中力のトレーニング・・・集中を持続する、集中を切り替える、集中を乱されないためのトレーニングをします。
- イメージのトレーニング・・・試合に対する作戦のリハーサルや、成功イメージなどによる自信の向上のトレーニングをします。
- メンタルな動きづくり、競技前の心理的準備・・・トレーニングしてきた各技法やスキルを試合前や試合中に発揮できるように準備します。
- 本番(試合等)・・・これまで準備やトレーニングしてきたスキルを試合で実行します。
- 競技後の反省・・・設定した目標の達成度や、試合結果、メンタルスキルや競技スキルの発揮度を自己評価し、その後のトレーニングにつなげます。
<参考文献>
- 教養としてのスポーツ心理学 大修館書店、2005年、徳永幹雄 編
- スポーツメンタルトレーニング教本 大修館書店、2002年、日本スポーツ心理学会 編