子供のコンピテンス(自信)を育てる教育法とは?

こんにちは。河津です。

子をもつ親にとって、子供の自信をはぐくむことはとても重要でそしてとても難しく感じる事だと思います。
今回はそんな子供の自信(コンピテンス)に関連する最新の研究報告をわかりやすく解説していきたいと思います。

この研究で取り上げられている「サッカーに関するコンピテンス」というのは以前当HPで取り扱った「自己効力感」の記事の中で話した自信とほぼ同じです。

【セルフエフィカシー】火ノ丸相撲を心理学的に分析~スポーツ選手の自信のつけ方~

サッカーに対するコンピテンスが高まれば、実際のプレーにも良い影響がありますし、今はやりの「自己肯定感」にも良い影響があると考えられます(これは持論ですが・・・)。

そして、この研究では、スポーツ場面と関係のない普段の親の養育態度が、子供の行っているスポーツ(ここではサッカー)に対するコンピテンスを高めるのか?ということをテーマに調査分析がされています。

一体どのような結果になったのか?詳しく解説していきましょう。

研究の結果何が明らかになったのか?

早速ですがこの研究の結果何が明らかになったかというと・・・

〇他者を気遣ったり、他者を進んで手伝ったりするような向社会性という特徴があるほど、1年後、サッカーに対する自信が高まったが、それは、子供の自立性を尊重し、選択をゆだねる。ジティブな言葉かけをする。子供に接する際に一貫した態度を貫く。というような傾向のある養育態度をとっている人たちの子供だけで見られ。そうでない人たちの子供ではそいった特徴はみられなかった。

というものでした。

この結果をどう解釈したらよいか?

この結果の大きなポイントは、サッカーの活動とは関係のない日常的な養育態度が、子供の「サッカーに対する自信」に影響を及ぼしたという点です。

良い影響を及ぼした養育態度ですが、日常生活の中である程度子供に自由を与え、一日の予定を子供に決めさせるなどの、責任も与えている、そして子供が良いことをしたときには褒めるなど、子供の自発的な行動をどんどん後押しするような態度といえます。

このような養育態度は子供がもつ自律性の欲求を大いに満たすものであると考えられます。自律性の欲求とは人が人生の中で求める基本的な3つの欲求の一つであり、「人はみな自律的であろうとする」というものです。

子供が自主的に決めた行動を受け入れ、なおかつそれを褒めるということは、子供にとって大きな自信になると思います。

正直子供の向社会性がサッカーの自信にどのように影響を及ぼしたのかは解釈が難しく、この論文中にも明確な説明があるようには思えなかったので、その辺は今後調査していくべきところなのかもしれません。

しかしながら、子供の自律性を尊重するという養育態度が、子供の成長に良い影響を与えていたとする科学的な証拠になることに変わりはありません。

自信などの心の変化は目に見えるものではないので、現実の場面では成果が分かりにくく、不安になることもあるかもしれませんが、こういった研究結果はたくさん出てきています。

お子さんの心や行動を良い方向に変えていきたいと願うなら、まずは自分の態度から!研究結果を信じて変えてみて、そして続けてみてください!!

 

<参考文献>

  • 梅崎高行、酒井厚、眞榮城和美、室橋弘人(2020)児童期におけるサッカーのコンピテンスと向社会性の相互影響性ー家庭の養育態度の差異を踏まえた縦断的検討ー.スポーツ心理学研究 、47(2)、75-87.
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